2020年3月5日
いつも当法人の運営にご協力いただきありがとうございます。
先日お知らいたしました「小学3年生以上のお子さまの利用は、原則週1回を上限」と決定しました件について、ご迷惑、ご心配をお掛けしております。 本来ならばお詫びとご説明を対象になる方お一人お一人に直接お伝えすべきことですが、この機会に全ての方に「いろ葉の想い」も合わせてお知らせしたいと考え筆を取らせていただきました。お時間あられましたら、ご一読いただけますと幸いです。
はじめに、4月から複数回のご利用を希望いただきながら、それに応えることができないお返事となってしまいましたこと、大変申し訳ありませんでした。また、そのお知らせが一人ひとりにご相談させていただかず、急で一方的なものになってしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
私と話された方の中にはご存知の方もいらっしゃいますが、いろ葉を立ち上げた当初、中学生、高校生年代にまで発達支援が届くようにし、就労へと送り出したいという思いがありました。その思いは現在も持ち続けています。
今回はそれに逆行する形となってしまいとても悔しい思いです。これは一重に私の雇用や育成を含めた力不足だと痛感しております。なにより、そのことで不安な思いをさせてしまったり、ご迷惑をおかけしてしまったお子さまと保護者さまには申し訳ない気持ちでいっぱいです。ご希望、ご期待に沿えず申し訳ありませんでした。
いろ葉を2018年10月にスタートして、まもなく1年半が経とうとしています。
「近隣の伊勢市や松阪市には立派な療育施設があるのに、多気郡や度会郡の子どもたちは療育を使いたくても使えない!」
そんな声に応えたくて、この郡部でいろ葉をスタートしました。お陰様で、いろ葉に来てくれている子は100人を超え、現在25人ほどの子どもたちが定員の空く目途が立たない状況の中で待機してくださっています。また、小学生の新規見学、受け入れについては現在停止しております。
今年度の採用試験には、北は北海道、南は徳島まで全国から約60名のエントリーをいただきました。その内採用に至ったのは5名です。スタッフ採用の基準を下げれば、今回のような制限を作ることはなかったと思いますが、胸を張って担当を任せられないスタッフに大切な子どもたちを任せるわけにはいきません。高い専門性を確保するために非常に高い採用基準を定めることを、人口が少ない郡部で行うことは非常に厳しい状況ではありますが、ご理解いただければ幸いです。
実は、いろ葉が核にしている理念は、療育や発達支援だけに関わることではなく、「こどもたちを地域で抱きしめる社会をつくる」ことにあります。いろ葉には「いろんな葉っぱ(多様な人々)が、共に暮らす(共生社会)」という思いを込めています。その理念を実現するための1つの手立てとして、発達支援の事業を行っています。
だからこそ、「通うタイプの療育」を確保するだけで完結するのではなく、ペアレントトレーニングなどの家族支援や、保育園や学校への訪問支援を行って地域全体、暮らしている社会全体への働きかけを重要視しています。何年先になるか分かりませんが、中高生への対象の拡大も諦めていませんし、制度が整えば将来的には家庭訪問による療育もしたいなと思い描いています。
今後も、みんなが楽しく幸せに、みんなが豊かに暮らしやすい、みんなが誇りを持って働きやすい、人の広がりで地域を抱きしめるような、そんな社会を地域のみなさんと一緒に創りたいと願っています。
梅雨に入るころまでには、少し明るいお知らせができるよう現在準備や調整を進めております。
今後とも、スタッフ共々、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人いろ葉
代表理事 齋藤眞寛